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窓から取り込む「秋の日射」を考える——冬の暖かさは、窓の計画から始まっている

おはようございます。

今日は朝から台風の影響で昨日からずっと雨が降っていますね。

10月も後半になり、朝の空気がひんやりと感じられるようになってきました。

一方で、晴れた日の昼間は、窓際がぽかぽかと暖かい。

暖房をつけるほどではないけれど、日差しがあると気持ちがいい。

そんな季節です。

前回は「軒がある家とない家の違い」として、季節によって日差しの入り方が変わるというお話をしました。

今回はその続きとして、

「秋から冬にかけての日射を、どうやって暖かさとして活かすか」

を、窓の視点から考えてみたいと思います。

夏は「入れない」、冬は「入れる」

夏の時のお話では、

「高断熱住宅ほど日射遮蔽が重要」

「窓で夏の暑さは大きく変わる」

というお話をしてきました。

夏の日射は、できるだけ室内に入れないことが大切です。

ところが、秋から冬にかけては考え方が逆になります。

冬の日射は、無料で手に入る暖房です。

晴れた日の南側の窓からは、思っている以上にたくさんの熱が室内へ入ってきます。

この熱をうまく取り込めるかどうかで、冬の室温や暖房の使い方は大きく変わります。

静岡は「冬の日射」に恵まれた地域

静岡は全国的に見ても冬の日照時間が長い地域です。

日本海側の地域のように冬に曇りや雪の日が続くことは少なく、太平洋側特有の晴れた日が多くあります。

つまり静岡は、

「冬の日射を活かしやすい地域」

と言えます。

せっかくの恵まれた条件を、窓の計画で活かせるかどうか。

ここが家づくりのひとつのポイントだと思います。

窓は「熱が逃げる場所」でもあり「熱が入る場所」でもある

窓というと、

「家の中で一番熱が逃げる場所」

というイメージがあるかもしれません。

確かに、壁に比べると窓は断熱性能が低く、冬は窓から多くの熱が逃げていきます。

ただし、南側の窓は昼間に日射を受けることで、逃げる熱以上の熱を取り込めることもあります。

つまり窓は、

逃げる熱(断熱性能)
入る熱(日射取得)

の両方で考える必要があります。

このバランスを考えずに、

「窓は小さい方が断熱的に有利」

とだけ考えてしまうと、冬の日差しという大切な熱源を自ら手放してしまうことにもなります。

■ガラスの種類で「入る熱」は変わる

夏のお話で、Low-Eガラスには

遮熱型(日射を遮りやすい)
断熱型(日射を取り込みやすい)

があるとお話ししました。

秋から冬の日射を活かしたい南面の窓には、断熱型(日射取得型)のガラスを選ぶことが基本になります。

一方、夏の西日などが厳しい東、西、北面には遮熱型を選ぶ。

このように、

「方角によってガラスを使い分ける」

ことで、夏の暑さを抑えつつ、冬の日射も取り込みやすくなります。

すべての窓を同じガラスにしてしまうと、どちらかの季節で損をしてしまうことがあります。

■取り込んだ熱を「ためる」工夫

日射で室内に入った熱は、床や壁、家具などに一度ためられ、日が沈んだ後に少しずつ放出されます。

そのため、

・日差しが当たる床の素材
・室内の空気が家全体をめぐるかどうか
・夜に熱を逃がさない断熱性能と断熱ブラインド

といった点も、日射を活かすうえで関係してきます。

いくら昼間にたくさん日射を取り込んでも、断熱性能が低ければ夕方以降にすぐ熱が逃げてしまいます。

反対に、断熱性能の高い家では、昼間に取り込んだ熱が夜まで残りやすくなります。

秋の日射には「取り込みすぎ」にも注意

ここで一つ注意したいのが、秋の取り込みすぎです。

10月は太陽がまだそこそこ高く、気温も高めの日があります。

南側に大きな窓があり、軒が浅い家では、

「秋なのに日中の室温が27〜28℃まで上がる」

ということも起こり得ます。

高断熱の家ほど熱が逃げにくいため、この傾向は強くなります。

そのため、

・軒や庇で夏〜秋の日射を適度に遮る
・カーテンやブラインドで調整する
・天気のよい日は窓を開けて風を通す

といった、季節に合わせた使い方も大切です。

冬の日射を活かす家ほど、秋は「入れすぎない工夫」も必要になる。

これが、日射を味方にする家づくりの少し奥深いところです。

■日射を活かすのは「設計の段階」から

日射の取り込み方は、家が建ってからでは大きく変えることができません。

・建物を敷地のどこに配置するか
・リビングをどの方角に置くか
・南側の窓をどのくらいの大きさにするか
・軒の出をどうするか
・隣の建物の影がどこまで落ちるか

こうした内容は、すべて設計の段階で決まります。

私たちは設計の際に、周辺の建物も含めて冬の日影の落ち方を確認し、日射を取り込みやすい配置や窓の位置を検討しています。

まとめ——秋の日射は、冬の暖かさの予告編

秋の日差しが窓から入ってくる様子は、これから迎える冬の暖かさを予告しているようなものです。

夏は遮る。

秋は少しずつ入れる。

冬はしっかり取り込む。

そして取り込んだ熱を、断熱性能で逃がさない。

窓は「熱が逃げる弱点」であると同時に、「自然のエネルギーを取り込む入口」でもあります。

これからの季節、晴れた日の昼間に、ぜひご自宅の窓際の暖かさを感じてみてください。

その暖かさが夕方まで続くかどうか。

そこに、家の性能が表れているのかもしれません。

次回は、いよいよ暖房を使い始める季節を前に、知っておきたいことについてお話しします。

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