工事日誌
除湿と冷房は何が違う?——梅雨時期の快適性を考える
おはようございます。
6月に入り、いよいよ梅雨の季節が近づいてきました。
この時期になると、
「なんだか蒸し暑い」
「気温はそれほど高くないのに不快」
「床がベタベタする」
と感じることが増えてきます。
最近では5月でも30℃を超える日がありますが…
真夏のような強い暑さではないのに、なぜか快適ではない。
実は、この時期の不快感の原因は気温だけではありません。
大きく影響しているのが「湿度」です。
そこで活躍するのがエアコンですが、リモコンを見ると「冷房」と「除湿」という運転モードがあります。
何となく、
・暑いときは冷房
・ジメジメするときは除湿
という使い方をされている方も多いと思います。
もちろん間違いではありませんが、この二つの違いを理解すると、梅雨時期から夏にかけてより快適に、そして効率よくエアコンを使うことができます。
今回は、除湿と冷房の違いについてお話ししたいと思います。
まずは湿度について考えてみる
梅雨時期の不快感を考える上で欠かせないのが「湿度」です。
例えば、
・気温25℃、相対湿度85%
の日と、
・気温28℃、相対湿度50%
の日を比べると、後者の方が快適に感じることがあります。
一見すると25℃の方が涼しそうですが、実際の体感はそうとは限りません。
その理由は空気中に含まれている水分量にあります。
住宅業界では、この水分量を表す指標として「絶対湿度」を使います。
絶対湿度とは、
「空気1㎥の中に何グラムの水分が含まれているか」
を表したものです。
先ほどの例で見てみると、
・25℃・85% → 約17g/㎥
・28℃・50% → 約12g/㎥
となります。
つまり、25℃の方が空気中に多くの水分を含んでいるのです。
よく天気予報などで耳にする相対湿度は、温度によって大きく変化します。
同じ50%でも、気温が変われば空気中の水分量は変わります。
私たちが実際に蒸し暑さや快適さとして感じているのは、相対湿度よりも絶対湿度に近い感覚です。
人の体は汗を蒸発させることで体温を下げています。
ところが空気中の水分量が多いと汗が蒸発しにくくなり、
・蒸し暑い
・体がベタつく
・だるく感じる
といった状態になります。
つまり、梅雨時期の不快感は気温よりも湿度が大きく影響していることが多いのです。

冷房の役割とは?
冷房の目的はとてもシンプルです。
室温を下げることです。
エアコンは室内の熱を屋外へ逃がし、室温を下げています。
例えば、
・室温30℃
・湿度70%
という状態であれば、まず温度を下げることで快適な環境をつくろうとします。
もちろん冷房運転でも湿気はある程度取り除かれます。
しかし冷房の主な役割はあくまで温度を下げることです。
そのため、
「そこまで暑くないけれど蒸し暑い」
という梅雨特有の状況では、冷房だけでは快適になりきらないことがあります。
除湿の役割とは?
一方で除湿運転の目的は、
空気中の水分を減らすことです。
気温を大きく下げるのではなく、湿度を下げることを優先します。
湿度が下がると、
・汗が蒸発しやすくなる
・ベタつきが減る
・空気が軽く感じる
ようになります。
同じ26℃でも、
湿度80%の部屋と湿度60%の部屋では体感が大きく異なります。
梅雨時期に
「気温は高くないのに不快」
と感じる場合は、冷房より除湿の方が効果的なことも少なくありません。
除湿にも種類がある
実は除湿運転にも種類があります。
代表的なのは、
・弱冷房除湿
・再熱除湿
の二つです。
弱冷房除湿は、空気を冷やしながら湿気を取り除く方式です。
比較的消費電力は少ないですが、
「除湿したいだけなのに寒くなる」
ことがあります。
一方の再熱除湿は、一度冷やして除湿した空気を再び暖めて室内へ戻します。
そのため、
・室温は維持したい
・湿度だけ下げたい
という場合に非常に快適です。
ただし、その分エネルギーを使うため電気代は高くなる傾向があります。
高断熱住宅ほど湿度管理が重要
高断熱・高気密住宅では、一度快適になった室内環境が維持されやすくなります。
これは冬には大きなメリットです。
しかし夏は少し考え方が変わります。
住宅性能が高いほど外の暑さは入りにくくなりますが、
室内で発生した湿気も残りやすくなります。
例えば、
・人の呼吸
・料理
・洗濯物
・入浴
などでも多くの水蒸気が発生しています。
そのため高断熱住宅では、
温度だけではなく湿度をコントロールすることが非常に重要になります。
「室温は快適なのに少し蒸し暑い」
という場合は、温度ではなく湿度が原因になっていることが少なくありません。
換気との組み合わせも重要
湿度を考える上で忘れてはいけないのが換気です。
現在の住宅では24時間換気が義務化されています。
特に第一種換気では、
給気と排気を計画的に行うため、空気がよどみにくくなります。
ただし梅雨時期は外気そのものが湿っています。
そのため、
換気だけで湿気を取り除くことはできません。
換気で空気を入れ替えながら、除湿で湿度をコントロールする。
この組み合わせが重要になります。
梅雨時期のおすすめ運転方法
私がお客様にお話しする際は、
まず温度ではなく湿度を確認してみてください
とお伝えしています。
例えば、
・室温25~27℃
・絶対湿度16g/㎥以上
であれば除湿運転を試してみる価値があります。
一般的に絶対湿度16g/㎥を超えると、多くの人がジメジメした不快感を覚え始めます。
逆に真夏のように室温30℃を超えるような場合は冷房運転が中心になります。
その際も湿度を意識すると、より快適な室内環境になります。
無垢フローリングと湿度の関係
ここで少し余談です。
同じ温度・湿度であっても、床材によって体感は意外と変わります。
シート系フローリングやクッションフロアは、湿度が高い時期に少しベタつきを感じることがあります。
一方で、
・杉
・ヒノキ
・オーク
などの無垢フローリングは、素足で歩いたときにさらっとした感触を得られることがあります。
私自身、無垢材が好きということもありますが、床材を選ぶ際にはこうした季節ごとの体感も参考にしていただければと思います。
まとめ——梅雨時期は「温度」より「湿度」に注目
梅雨時期の不快感は、暑さだけが原因ではありません。
実際には、
・湿度が高い
・汗が蒸発しにくい
・空気が重たく感じる
ことが大きな原因です。
冷房は温度を下げるためのもの。
除湿は湿度を下げるためのもの。
それぞれ役割が異なります。
これから梅雨本番を迎えるにあたり、
「なんだか不快だな」
と感じたときは、温度だけでなく湿度にも目を向けてみてください。
住まいの快適性は、温度と湿度のバランスによって大きく変わります。
もし、この感覚を体感してみたい方がおりましたらご連絡いただければご案内いたします。