工事日誌
実測データで見る「一年を通して快適な家」——高断熱・高気密住宅の温度安定性
おはようございます。
今日はいつもと少し目線を変えて、実際に暮らしている自邸のデータをもとにご紹介したいと思います。
これまで、断熱や気密といった「性能の大切さ」を一般的な目線でお伝えしてきましたが、今回は数字ではなく実際の温度変化を通して、高断熱・高気密住宅がどのように快適な住環境をつくり出すのかを見ていきます。
1.住宅性能の概要
今回ご紹介するのは、私自身が暮らしている住宅の実測データです。
・UA値(外皮平均熱貫流率):0.37W/㎡・K
→ 外壁や屋根、窓から逃げる熱が非常に少ない、高断熱仕様。
・C値(相当隙間面積):0.5㎠/㎡
→ 隙間のない高気密構造で、外気の影響をほとんど受けません。
換気方式はダクト式の第一種熱交換換気システムを採用しています。
外気と排気の熱を交換しながら給気することで、外の寒暖差による室温変化を最小限に抑え、一年を通して穏やかな空気環境を保っています。
2.冬(1月)のデータ——外気6℃でもリビングは24℃前後で安定
こちらは2025年1月のリビングと外気温の比較データです。
(画像:2025年1月温度データ)

外気温は0〜10℃の間を上下しており、寒暖差の激しい冬らしい気候です。
それに対して、リビングはほぼ一定の24〜25℃を保っています。
この時期の暖房は、床下エアコン(14畳用)を1台。
朝方と夕方から就寝までの間欠運転のみです。
それでも家全体が穏やかに暖まり、
エアコンを止めてもすぐに冷えることはありません。
この結果を生んでいるのは、以下の2点です。
ⅰ)外気の変化に左右されない断熱性能
外気が5℃でも、室温変化は1℃未満。
熱が逃げにくい構造が、少ないエネルギーで快適さを保っています。
ⅱ)床下エアコンと熱交換換気の連携
暖気が床下からゆっくり上昇し、家全体を包むように温めます。
さらに第一種熱交換換気が暖かい空気を循環させることで、
家中どこにいても温度差が少ない快適な空間を実現しています。
冬の朝、起きてすぐに「寒い」と感じない。
その穏やかさこそ、高性能住宅の真価です。
3.夏(8月)のデータ——外気35℃でも室温は26℃前後をキープ
続いて、2025年8月の温度データです。
(画像:2025年8月温度データ)

外気温は連日30〜35℃を超える真夏日。
夜になっても気温が下がらない日が続いています。
それでもリビングは25〜26℃の範囲でほぼ一定。
この時期は、小屋裏に設置した14畳用エアコンを1台、24時間連続運転しています。
小屋裏の冷気がやわらかく家全体に広がり、
温度ムラを感じることがほとんどありません。
・外気35℃でも室温は26℃前後
・夜間30℃近くあっても、室温の上昇は1〜2℃
これは、
断熱設計・日射遮蔽・第一種換気のバランスが取れている証拠です。
家の中で冷房の風を強く感じることはなく、
「涼しい」というより「暑さを感じさせない」空間がつくり出されています。
4.年間を通して見える温度の安定性
1月と8月のデータを並べてみると、外気温は−2℃から35℃まで大きく変動しています。それに対して室温は、年間を通して24〜26℃のわずか2℃の範囲。
この安定性こそが、高断熱・高気密住宅の最大の特徴です。
・冬:外気5℃でもリビング24℃
・夏:外気35℃でもリビング26℃
外気との温度差は約20℃に達しても、家の中は穏やかで変わらない。
第一種熱交換換気が外気の熱を制御しながら空気を入れ替え、
エアコン1台で家全体を快適に保つ省エネ性を実現しています。
5.快適性と健康の両立
温度が安定している家は、快適なだけでなく健康的です。
特に冬場、脱衣所やトイレでの温度差が原因となるヒートショックは深刻な問題です。リビングが24℃で安定しているということは、家全体の温度もほぼ同じであるということ。
つまり、
・家のどこにいても体感温度が変わらない
・寝室や水まわりも含めて冷暖房の効きが均一
・小さな子どもや高齢者も安心
という、暮らしの質そのものが上がる住環境です。
6.まとめ——“数字”ではなく“暮らしの実感”で見る性能
UA値0.37・C値0.5という数値は、たしかに性能の高さを示す指標です。
しかし、今回のデータが教えてくれるのは、
「数値の良さ」ではなく「暮らしの心地よさ」。
・冬は床下エアコン1台の間欠運転で24℃前後を維持
・夏は小屋裏エアコン1台の24時間運転で26℃前後を維持
・第一種熱交換換気で家全体を均一な温度に保つ
この組み合わせによって、
エアコンの風を強く感じることなく、
家全体が“そっと包まれるような快適さ”を実現しています。
外気がどんなに過酷でも、家の中はいつも一定。
それが、高断熱・高気密住宅の本当の性能です。
これから家づくりを考える方には、
「数字」だけでなく「暮らしの中での体感」にもぜひ目を向けてほしいと思います。
実際にこの快適性を実感したい方はぜひお声掛けください。自邸にてご案内いたします。
現在(11月)は冷房も暖房も運転していませんが、玄関に入った瞬間に外気との違いが感じていただけるはずです。